那須林産工業株式会社

2025.11.14 住まいの性能

高断熱高気密住宅は家をあたためて!

こんにちは! 栃木県 那須塩原市、那須町、大田原市 を中心として 自然素材を使った本当に暖かい、高断熱高気密で耐震等級3の注文住宅を建てている那須林産工業です。
本ウェブジャーナルでは、家づくりに役立つ情報をお伝えします。今回は、高断熱高気密住宅の冬の心地良い暮らし方です。ここ那須塩原は、本格的な冬シーズンの到来を思わせるような気温の下がり方を見せ始めています。こんな季節は、高断熱高気密住宅の本領が発揮されるシーズン。ぜひ、以下のポイントを実践していただきその性能の効果を体感してください。

1.「家をあたためる」ことができる高断熱高気密住宅

これまでの日本の住宅は、「人のいる部屋を暖める」ことが常識でしたが、高断熱高気密住宅にお住まいの皆さんは、ぜひ「家を暖める」ことを念頭に置いて暮らされることをお勧めします。高断熱高気密住宅は、外周部にしっかりと断熱気密施工がされた保温性の高い住宅です。基本的には一部屋だけその場しのぎであたためるより、家ごとあたためた方が効率的で保温効果がアップし、快適性・経済性も高まります。
また、弊社でご提案する暖房計画はほとんどの場合、エアコン1~2台で家全体の空調を賄う計画とさせていただいてます。そのためのポイントを記載しましたので、ご確認の上実践してみてください。

UA値0.28、C値0.1のFPの家。日射取得も計算された家のため、少ないエネルギーで暖かさと涼しさを保っている。

2.家をあたためるためのポイント

高断熱高気密住宅を家ごとあたためるポイントは以下の4つです。

① 本格的に寒くなる前に家をあたためること
② エアコンを自動運転にしてワンシーズンつけっぱなしにすること
③ 部屋のドアも開けっ放しにすること
④ 室内の湿度を上げること

まず①と②に関して、寒さが厳しくなって建物が冷え切ってしまうとあたためるのに膨大なエネルギーを使うことになり、その分電気代もかかります。

保温性の高い住宅の場合ももちろんあたためるにはエネルギーが必要ですが、一度あたたまれば床や壁、天井の仕上材や家具に蓄熱されます。そして、エアコンを一定温度の自動運転にすれば、設定温度を維持するだけの運転となります。

③に関しては、効率的にエアコンであたためた空気が各居室間にいきわたりやすくなるためです。お風呂や洗面所のドアも入浴時以外は開けておくことで室内の温度差が少なくなります。

また④に関して、冬は湿度も下がりがちですが、ぜひ室内は加湿器や部屋干しなどで、室内の湿度を上げてください。湿度を上げると体感温度も上がります。適切な湿度を保つことは風邪などの感染症予防や肌・喉の乾燥防止につながりますのでぜひ実行してみてください。

3.その他注意点

・ 室温は何度設定が良いのか?

弊社では基本的に20~22度設定で良いとお施主様には伝えています。特に、日中は窓からの日射取得があるため20度前後の設定で十分なあたたかささが得られるはずです。但し、多くの人が寒くないと感じる温度は23度だそうです。ですので、家族が集まる時間や夜間は少し設定温度を上げてもよいかもしれません。ぜひご家族間で快適な温度を探ってみてください。

・ エアコンが2台ある場合は2台ともつけっぱなしにすること

あたたかい空気は上に行くので、二階が冷えているとどんどん二階にあがってしまいます。前述したとおり、エアコンの全力運転が長引くと消費電力量も増えます。ですので、効率よく省エネで家全体をあたためるには二階のエアコンも自動設定でお付けくださいね!

・ つけっぱなしの場合でもフィルター掃除を忘れずに

自動フィルター掃除機能が付いている機種でしたら問題はありませんが、つけっぱなしとはいってもやはりフィルター掃除を行ってください。掃除をしないでつけっぱなしにするとかえってエアコンの効きが悪くなったり、健康被害のリスクが高まります。最低限2週間に一度はエアコンを止めてフィルターのお手入れを行ってください。

・ どのくらいの断熱性能があれば良い?

断熱レベルに応じて暖房をつけっぱなしにした場合の電気代や室温が専門家により述べられた動画ご紹介します。わかりやすく断熱等級の違いが記載されています。

弊社では断熱等級6以上で住宅設計を行っていますが、等級6でも那須塩原市が属する地域区分Ⅳで冬場の室温が暖房を切っても13度を下回らないことが大まかな基準となっています。最も高い等級である断熱等級7で、室温が15度を下回らないことが基準となります。どうでしょうか?「すごい!?」と思いましたか?それとも「そんなもんなの?」と思われたでしょうか?
このあたりの温度意識の違いが自身がどの断熱等級の家に住みたいかを決める判断材料になるのでは、、と思います。
ちなみに私は、冷え性なのでいずれは等級7の家に住んでみたいです。
さらにいうと、5年後の2030年には断熱等級の最低基準が上がり、ZEH水準(等級5)が最低基準になっていく予定です。5年後の新築は等級5以上ないと建てることはできません。しかし、動画の中で前真之准教授が述べているように、本当に快適に暮らすには等級5では不十分で、省エネ性と経済性を両立するには等級6以上が必須です。

ぜひなるべく高い省エネ性能を予め選んでおくことを家づくりの最優先に置いていただければ間違いはないのではないかと思います。
また、断熱等級が詳細に述べられたコラムもご紹介させていただきます。ぜひ、ご確認ください。

国土交通省のサイトにもこれからの家選びの基準がかかれているので、こちらもぜひご参考に!

https://www.mlit.go.jp/shoene-jutaku/index.html

4.まとめ

弊社で冬の完成見学会を行う場合、一週間前からエアコンをつけっぱなしにさせていただきます。 見学会はたいてい日中に行われるため、エアコンの設定温度は21~22度とします。日中は窓からの太陽光の熱などもあるためです。今回の現場では温度計は22.8度になりました。セーター等冬の服装だと、ご説明のためにずっと動いていると、じわっと汗ばむぐらいになります。

お客様を案内している際いつも感じるのは、家じゅう温度差がない空間は本当に快適で、動きやすいということです。

普段は築40年の局所暖房の家に住んでいるので、居室しか暖房しません。そのため、トイレや廊下に出る場合は、一枚着こんだり、寒さに震えながら居室間を移動します。これは、精神的にも肉体的にも非常にストレスを感じます。しかも、40坪以上の広い家でありながら冬は10坪以下の空間に家族4人が集う、全く効率の悪い住まい方をしなければなりません。非暖房室には行きたくないため、冬は自然と活動範囲が狭くなることも多く、本当に空間を活かしきれてないな、と思いながら過ごしています。個人的には高断熱高気密住宅の一番のメリットはここではないかと思います。比較的小さな坪数でもオールシーズン全ての居住空間を活用しながらストレスなく活動的に動き回れること。これは非常に素晴らしく快適なことです。ぜひ、高断熱高気密住宅にお住まいの方は家を暖めるポイントを試してみてくださいね!

※ 今回の記事は書籍『からだにいい家の作り方』も一部参考にしました。ぜひ気になる方はお読みくださいね。

【弊社がナビゲーターとなり、那須塩原市で撮影された動画です。ぜひご覧になってください】